作家・イラストレーター 岩田リョウコさん × オリエンタルバスビューティ取締役CBO笹川友里 対談
前編では、作家・イラストレーターの岩田リョウコさんに、シアトルでのコーヒーとの出会いや、サウナが与えた気持ちの変化についてお話を伺いました。後編では、フィンランドのサウナ文化や女性向けサウナ施設に求めるものについて、オリエンタルバスビューティ最高ブランド責任者の笹川友里がさらに探っていきます。リョウコさんの最新のサウナ体験とサウナの本質についてのお話をお楽しみください。
▶︎「サウナ×ウェルビーイング」リョウコさんと語る心と体のリフレッシュ法【前編】〜心と体を癒す秘訣〜
岩田 リョウコ さん
兵庫県生まれ名古屋育ち。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び、2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。2012年にアメリカでコーヒーブログ「I Love Coffee」を立ち上げ、月間ページビュー150万のサイトに成長。2015年アメリカでブログが書籍化され、Amazonランキング全米1位獲得のベストセラーに。中国語、韓国語、ロシア語に翻訳出版されている。現在、サウナに絶賛どハマり中。サウナのアドバイスをしたいがあまり、サウナ・スパ健康アドバイザー資格取得。2018年、フィンランド観光局公認フィンランド・サウナアンバサダーに任命される。
笹川 友里
2013年にTBSテレビに総合職で入社し制作ADを経験した後、人事異動でアナウンサーに。独立した現在はオリエンタルバスビューティ株式会社Co-Founder&CBO(最高ブランディング責任者)としてSaunaTherapyをディレクションしている。また女性特化型の転職サービスやキャリアイベントなど、女性のキャリア支援事業を展開するNewMe株式会社を共同創業。その他、TOKYOFMにてラジオパーソナリティ、ファッション誌での活動など。
サウナの魅力再発見:フィンランドの旅
笹川 これまで国内外のサウナを取材したり、プライベートで訪れたりしていると思いますが、最近のホットワードや「これいいよね」というものはありますか?
岩田 先々週、フィンランドに行ってきました。入国審査のときに「何しに来たんですか?」って聞かれて、「タンペレでサウナのお祭りがあるので来ました」と答えたら、入国審査官が「どんなサウナが好きなの?」って聞いてきて。「高温多湿のサウナが好きです」って言ったら、「100度ぐらい?」って言われて、ボンっとハンコを押されました(笑)。
笹川 さすがサウナの国ですね!
岩田 ほんとに。フィンランドに行って初めて聞かれましたよ。普通、入国審査では何日泊まるとか聞かれるのに、好きなサウナの温度を聞かれるとは。
笹川 フィンランドではサウナが本当に日常の一部なんですね。公衆サウナが再び人気になっていると聞きましたが。
岩田 そうですね。公衆サウナは一度廃れましたが、2013年ごろからまたおしゃれになり、若い人もおじいさんおばあさんも通うようになっています。家にサウナがあっても、わざわざ公衆サウナに行く文化があるんです。
笹川 面白いですね。日本でも、家でお風呂に入れるのにス銭湯に行く感じですね。料金はどれくらいですか?
岩田 公衆サウナは10〜12ユーロくらいで、1600円程度です。結構高いですが、それでも人気です。
笹川 リョウコさんのブログで、サウナの中での面白い人たちの描写をいつも楽しみにしています。今回の旅で変わった人はいましたか?
岩田 ノルウェーでは、混浴サウナに裸の人がいました。水着を着ると熱を遮ってしまうから、本当に熱を感じたい人は脱ぐんです。少し驚きましたが、それもサウナ文化なんだと思います。海外のサウナ好きの人たちは、裸や性を気にせず、熱をしっかり浴びることを大事にしていて、すごくストイックです。
笹川 日本では、その地域の条例もあって、男女や家族で入れるサウナは限られていますが、先日、友人家族と北海道にある混浴サウナに行ったとき、ちょっと気を遣いました。日本人は、羞恥心や美学があり、フラットな気持ちで入れないところがありますが、サウナをどう楽しめばいいですかね?
岩田 確かに、日本では知らない人と2人きりだと気まずいこともありますね。でも、フィンランドの公衆サウナでは、グループや一人、家族などさまざまな人が自分のペースでサウナを楽しんでいます。喋らなきゃいけないという義務感もなく、みんな好きなようにしているのを見て「これがサウナじゃん!」と思いました。今回、フィンランドで改めて感じたのは、自分がいいようにサウナを楽しむことが一番大事だということです。喋らなくてもいいし、喋りたいときは喋ればいい。自分のスタイルで楽しむのが一番です。
笹川 周りに気を遣わなくていいから個室サウナが流行っているんでしょうね。大衆サウナにはサウナ仙人のような人との出会いも醍醐味ですが、どんな人がいても、自分が入りたいように入るのがサウナの本質ですよね。
女性向けサウナ施設に求めるもの
笹川 リョウコさんがいろんなサウナに行かれる中で、女性向けのサウナ施設に求めるものはありますか?
岩田 最近おしゃれなサウナが増えていますが、ロッカーが小さかったり、ドライヤーが少なくて順番待ちだったり、女性の身支度を考えた設計になっていないところもありますね。やっぱり女性のことを考えて、鏡があって、ちゃんと座って化粧ができるスペースがあるとか、そういう配慮があると嬉しいですね。
笹川 確かに、運営や設計に女性が関わっているかどうかで違いますね。
岩田 そうなんです。女性が一人でも関わっていると違います。いいドライヤーがあるとか、そういう細かい気遣いが嬉しいですね。
笹川 サウナテラピーの立ち上げ時に、水風呂をどうするかリョウコさんにご相談したとき、「絶対あった方がいい」と言われて。女性専用ならシャワーでも良いのではという案もありましたが、水風呂にこだわって本当によかったです。
岩田 正解でしたね!思っていた通りの施設ができましたよね。水風呂があるとサウナの良さを教えられるし、本当にありがたいです。
笹川 うちのサウナはまだ小さいですが、女性専用の個室サウナがあまり増えなかったのは意外でした。新しいサウナができても男性専用だったり。女性のために考えられたサウナ文化がもっと豊かになればいいなと思います。
サウナの本質:ナチュラル&ウェルビーイング
笹川 メディアでよく、リョウコさんがサウナのことを話したり書かれたりしていますが、どんな切り口が多いですか?
岩田 最初は美容についてが多かったですが、最近はウェルビーイング、つまり内面の美しさや心の安らぎに関する話が増えています。肌が綺麗になるとかの話はほとんどなくなりました。
笹川 最初はデトックスがメインでしたよね。
岩田 サウナスパ協会もハーバルに力を入れて、本当のサウナ、心の浄化や自分を綺麗にするためのものとして広めていきたいそうです。アロマオイルもアルコールを使わない自然のものを使用し、次の段階として生のハーブを使うようになっているので、親和性があっていいですよね。
笹川 心やナチュラルが主流になってきているんですね。一番効果を感じる部分です。サウナは、肌に良いだけでなく、気分的にリフレッシュ効果が大きいですよね。サウナテラピーでもウィスキングやハーバルリチュアルを始めました。
岩田 いろんなプランが増えていて素晴らしいですね!
笹川 是非今度、体験にいらしてください。ウェルビーイングを追求するサウナの本質を、もっと多くの人に体感していただきたいです。また、色々とご意見やご感想をお聞かせください。本日はありがとうございました。
岩田 こちらこそ、ありがとうございました。今後のサウナテラピーも楽しみにしています。